(15)カポタストなるほど
どうしてタイトルに「考える」がついているかというと、今回はカポタストの音楽的な面での使い方ではなく、取り付け方その他のことで小さな発見があったので「考える」と付けました。
まずは僕の持っているカポタストたちです。
これまで僕がカポタストについてこだわっていたのは軽いということでした。どうしてそう考えるようになったのかというと、あるコンサートのサウンドチェックでスタッフが僕のギターのチェックをしている時に、外したカポタストをヘッドのサドルの側に引っ掛けて弾いたんです。そうしたら少し詰まったような音がしたので、「ねえヘッドのカポを外して弾いてみて」と頼んだところ外して弾いた音が結構違っていたというのがきっかけでした。
どうして音に変化が出るかというと、ギターを弾いた時にはボディーだけじゃなく、ヘッドの先まで振動しているわけで、そこにカポタストという重りをつけるとヘッドの振動が制御されてしまうというわけです。それで少し痩せたような、サスティーンが短いような音になってしまうんです。 そこで今メインに使っているのがこのペイジのアルミのカポです。これは日本ではなくサンフランシスコで手に入れました。
使い勝手の良さと堅牢さその他でいうと定番の「SHUBBカポ」に軍配が上がります(シャブという読みなので日本語では微妙)。
これまで僕は何も考えずにこのようにカポを取り付けていましたが、今回ちょっと気になって調べてみたら向きや位置の違いなどの理解を新たにしたわけです。
まず僕の取り付けかたの理由は押弦する指、特に人差し指の邪魔にならないことと、フレットから少し離すことによって親指の邪魔にもなりにくいようにということでした。 しかしこのように反対に取り付けている人も少なくないようです。
早速試してみると意外に人差し指の邪魔にならないし、親指はかなり自由になることがわかりました。これは僕にとってかなりの発見です。今度ライブにいらっしゃったら「カポはどっち向き?」の観察をするのも面白いかも(笑)。 そうしてもうひとつの発見はフレットの真上に取り付けるというものです。これは全く考えたことがありませんでした。考えなかった理由は通常の押弦ではフレットの位置では押さえないことと、やはり押弦の邪魔になるので少しでもフレットから遠くに取り付けたいということです。
この方法の最大のメリットはチューニングのくるいが最小限ということでしょう。カポタストを取り付けるということはその位置で弦をフレットボードに押さえ込むわけですから、弦は少し伸ばされます。同じだけ伸ばされても弦の太さや細さによってくるい方が違いますので、全体的には微妙な感じになっているわけです(状態の良くないギターではほぼ使えないほどくるうこともあります)。
というわけで思いがけずに「カポタストあるある」じゃなくて、「カポタストなるほど」ができて楽しかったです。
ところでカポタストを付けた時にチューニングが気持ち悪いなと思った時には糸巻きを使って合わせるのではなく、高めの時には調整したい弦のカポタストよりボディー側を、低めの時にはヘッド側を引っ張ると合わせられます。
これを糸巻きで合わせてしまうと、カポタストを外した時にしっかりとくるってしまっています。カポタストワンポイントクッキングでした(違うか)。
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