反知性主義を読んで
以前、アメリカの大統領選挙のキャンペーンはキリスト教のリバイバル集会のスタイルをモデルにしている、ということを耳にしたことがありました。その時は「ふ〜ん、そうなんだあ」という程度の関心しかなかったのですが、今回森本あんりさんの著書「反知性主義」を読んで大統領選挙がリバイバル集会のスタイルをモデルにしていることに「なるほど」と頷きを覚えました。
僕はクリスチャンですので、キリスト教会の歴史や文化もそれなりには知っていたつもりでした。しかしこれまで、「リバイバル集会ってなんだ?」なんて考えたこともありませんでしたし、イギリスからアメリカへ移住したピューリタンの人たちによって受け継がれたキリスト教が、アメリカで独特の変化を伴いながら今日に至っていることを、学んだことはありませんでした。
しかし今回この本を読んで、アメリカで独特の変化をしてきたキリスト教の拡大は、単にキリスト教にとどまらず、アメリカという国全体の文化に大きな影響を与え続けてきたことを知りました。トランプ大統領もその流れの中に登場した人物、という視点からとらえ直してみるのも面白いし、意味がありそうです。
さらにそのトランプ大統領、あるいはアメリカの作法に追従しているのが日本だとしたら、キリスト教の中身云々を議論するの前に、すでに日本がアメリカ型のキリスト教文化の中に在ることを認めざる終えないのではないかと思います。
アメリカが世界の警察を自認していたことや、ある国を悪の枢軸と呼び捨てること、経済面でも世界のリーダーであり続けようとすること、などのバックボーンにアメリカ型のキリスト教が大きく影響しているようです。
もともとピューリタンはイギリスの国教会の改革を求めた人たちですので、教会が国と結びついての、貴族やエリート層からなる権力支配の構造に異を唱えていました。反知性主義はそのような権力やエリート主義へ対抗する考え方、やり方であることをこの本を通して知りました。
本の中には僕の好きな映画のひとつである「リバー・ランズ・スルー・イット」などの映画や、僕でも知っているキリスト教の伝道者のことが紹介されます。それらがどう関連しているのかについて興味がある方は、本をお読みになることをお勧めします。
本のエピローグに知性と知能の違いについて書かれてあります。反知性主義とは何でもかんでも反対するというとのと違いますし、もちろん知性を持たないことを良しとすることとも違いますし、知性がないということとも違います。実は本を読みながら、僕の中にもこの反知性主義的傾向があるのではないかと思い始めました。
僕は自分が保守だとか革新だとかという強い意識を持ってきたわけではありません。ですから共産主義が良いとは思ったことはないのですが、なぜか権力には抵抗するメンタリティーを持っています。こんな自分でをこれまでうまく説明することができませんでしたが、これを反知性主義という観点から考えてみると、それなりに当てはまるなあと思えてきた次第です。
とにかくいろいろと考えさせられる興味深い内容の本でした。これからは自分は何に端を発する反知性主義なのかを考えてみないといけないですね。
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コメント
シェアを有難うございます。
私も一度読んでみます。
投稿: 佐野智弘 | 2017年10月10日 (火) 10時47分
僕はアマゾンの中古でゲットしました(汗)。
投稿: ぶち | 2017年10月10日 (火) 10時53分